東京都が全国初の「小中高一貫校」を2022年に開校/立川国際中等教育学校附属小学校についてまとめました

小学校受験
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東京都教育委員会は2020年7月28日に、令和4年4月公立として全国初の小中高一貫教育校を開校することを公表しました。

12年間の一貫した教育や国内外での体験活動を通して、児童・生徒一人一人の資質や能力を最大限に高め、豊かな国際感覚を養う事を目的として、都立立川国際中等教育学校の向かい側に附属小学校を設置する事となります。

本日は、全国初の試みとなる「都立立川国際中等教育学校附属小学校」の特徴や受験情報についてまとめました。

設立の経緯

東京都が12年間にわたる長期の「小中高一貫教育」の設置に着手した背景には、都内の過熱した中学受験を是正する事が目的となっています。

これに先立ち2000年代初頭からの都立高校改革により日比谷高校などの大学進学実績が大幅に改善され、それと並行して都立中高一貫校を次々に開校させ、各校が特色のある教育内容を提供し、中学校から私立に通う事が経済的に難しい家庭や、高校受験なしで伸び伸びとした6年間を過ごしたいという家庭の期待に応え、人気を集めてまいりました。

さらに親の経済力や教育環境により幼少期から学力格差が生じている実態を受けて、2013年に小中高一貫教育の設立準備委員会を設置し、経済的に困窮している家庭でも先進的な教育を受ける事ができるように公教育改革を進める事となります。

小中高一貫校の設置に関しては、当初は理数系に特化した人材育成を目指し、12年間の振り分けも「6・3・3」制ではなく、「4・4・4」制を軸に検討されていました。

しかし、入学時点で子どもの特性を見極める事が難しいという点や、敷地の問題もあり、立川国際中等教育学校に付属小を設置することでまとまり、教育活動の大きな柱は、「探究的な学びの推進」と「語学力の育成と言語能力の向上」となりました。

立川国際中等教育学校附属小学校の特色

教育理念

次代を担う児童・生徒一人一人の資質や能力を最大限に伸長させるとともに、豊かな国際感覚を養い、世界で活躍し貢献できる人間を育成する。

目指すべき生徒像(卒業20年後の生徒の姿)

高い言語能力を活用して、世界の様々な人々と協働するとともに、論理的な思考力を用いて、諸課題を解決し、様々な分野で活躍する人材。

特色

■探求的な学び

  • 全ての教科の学習や教育活動を、探究的な学びをベースに実施
  • 12年間の探究プログラムを実施。第10学年(高校1年生段階)では、リーダーシップ・アクション・プログラム(仮称)として、全員が海外で研究、インターンシップ、ボランティア等の活動に参加(国内研修と成果発表を含めて3か月間程度)

■語学力と言語能力の育成

  • 第1学年から週4時間の英語の授業を実施→義務教育の9年間で、通常の学校より1000時間以上多く学習
  • CLIL(内容言語統合型学習)的な学びにより内容を重視した語学学習を実施
  • 小学校段階から第二外国語にふれる機会を設定

アクセス

JR立川駅北口・多摩都市モノレール立川北駅より、12番乗場 立川バス「北町」行き「立川国際中等教育学校」下車(所要時間約12分)

都立立川国際中等教育学校の向かい側に附属小学校を設置。校舎は令和4年夏ごろ竣工予定(校庭を除く)。竣工までの間は仮設校舎を使用。

立川国際中等教育学校附属小学校の受験情報

募集人員

令和4年度 小学1年生80名(男子40名、女子40名)

海外帰国児童・在京外国人児童の募集人員は、募集人員(80名)の内数とする。

通学区域

学校までの所要時間が40分以内にある鉄道の駅やバス停を含む区市町村又は地域を予定しています。

応募資格

  • 開校初年度の令和4年(2022)年度は、平成27年4月2日から平成28年4月1日までに出生した者
  • 出願時に、指定した通学区域内に保護者とともに居住し、入学後も引き続き、指定した通学区域内から通学することが可能な者

入学者決定方法

抽選と適正検査により決定されます。(適性検査問題例を学校説明会で公表)

  • 第1次(抽選)・・・受検者が一定の応募倍率を超えた場合に実施
  • 第2次(適正検査)・・・一定の基準を満たした受検者を合格者として決定
  • 第3次(抽選)・・・適性検査の合格者が募集人員を上回っている場合に実施。最終合格者を決定

適正検査について

  • 都立小中高一貫教育校の教育理念及び教育方針に基づき構成した適性検査を実施
  • 検査方法(実施日数や時間等)は、受検者にとって負担とならないような内容で設定
  • 検査内容は、5歳児の発達の段階を考慮し、「遊び」の要素を取り入れて作成。都立小中高一貫教育校の「生徒の将来の姿」と照らして設定した能力等を把握することができる内容とする。
  • 検査時のグループ分けは、男女混合グループを基本とする。
  • 評価は、評価項目(例:コミュニケーション能力等)ごとに適性の有無等を総合的に判定。
  • 一定の基準を満たした受験者を第2次合格者とする。

学校説明会について

  • 第1回 令和2年10月11日(日)10時30分・15時30分 たましんRISURUホール(立川市)
  • 第2回 令和2年10月31日(土)10時・14時 都庁大会議場
  • 第3回 令和2年11月28日(土)10時・14時 たましんRISURUホール(立川市)

■申込方法

令和2年9月1日(火曜日)よりHPで受付開始(先着順)

出願書類

  • 入学願書
  • 住民票記載事項証明書
  • 入学時に通学区域に居住することが確認できる書類(出願時点で通学区域外に住所を有している場合)
  • その他、入学者決定に必要とする書類

中等教育学校への内部進学について

  • 附属小学校は、内部進学に当たって児童にとってより良い選択が出来るよう、保護者と丁寧に面談を重ねながら、共通理解を図る。
  • 附属小学校は、児童の学習の習熟度について確認し、十分な支援を行う。

とされており、今後も一層の検討を進める必要があるとされています。

現状では上記のように設定されており、具体的な進学基準は今後の課題となっていますが、設立趣旨の点から考えると厳しい進学基準にはならないと予想されます。

立川国際中等教育学校附属小学校の倍率予想

立川国際中等教育学校附属小学校は非常に魅力的な学校でありかなり高い倍率になると予想されます。

開校1年目、きれいな校舎、学費の安い都立、特徴のある教育体制、高校から大学への進学実績も良好と高倍率になる要素がふんだんにあります。しかしながら通学可能エリアが極端に狭いため、倍率は国立小学校ほどにはならず、およそ20倍前後の倍率になると考えられます。

もし23区内にあったとすると国立小学校と同程度かそれ以上の倍率になったかと思います。

開校まではまだ2年弱の期間がありこれからもどんどん情報が公開されていくと思いますが、まずは説明会で適正検査の問題例も公表されるとのことですので、ご興味のある方はぜひ参加してみると良いと思います。

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